近年、日本各地で問題となっている放置竹林は、竹の管理放棄による拡大が進み、在来種の植生破壊、生態系の変化、景観の劣化を引き起こしている。かつては農業資材や生活用品として重宝されていた竹だが、現代の生活スタイルでは需要が減少し、伐採・管理が行われなくなっているのが実情である。
本プロジェクト「Bamboo.01」は、そうした未活用資源である竹に新たな価値を与えることを目的にスタートした。竹という自然素材の構造的可能性に注目し、ものづくりを通じてその再評価と活用を試みた。特に、本プロジェクトはアートやクラフトに留まらず、実用性を備えた什器やスツール、将来的にはパビリオンなどへの展開を視野に入れている。
活動を進めるにつれ、素材としての竹の特性のみならず、その素材をいかに構造的に扱うか、そしてそれをいかに接合・構成するかという点に強い関心が移っていった。特に、張力と圧縮力の釣り合いによって成り立つテンセグリティ構造に着目し、自然素材でいかにこの構造を実現できるかという挑戦がプロジェクトの中心的テーマとなっていった。
活動初期には以下の段階的な進行を想定していた。それは竹の調達と処理(収集・乾燥・油抜き)、テンセグリティ構造を活かしたスツール制作、パビリオンや展示什器への応用展開である。
竹は天然素材ゆえに径や節間、曲がりなどに個体差が大きく、テンセグリティ構造のような力の均衡に高度な精度を要する構造においては施工上の困難が浮き彫りになった。特に、Grasshopperによる構造設計のなかで、部材長や結節点の精度が安定した構造の成立に極めて重要であることが確認された